2015/10/27,28に、ブラジリアにて上院議員のセミナーがありました。
"Lições da Experiência Mundial"
"Nuclear: Lessons from experiences in the world"
「核:世界の経験からの教訓」
プログラム
そこへ、日本から菅直人元総理のビデオメッセージが上映されました。
Cristovam. Buarque 上院議員がfacebookでメッセージをアップしています。
https://www.facebook.com/Cristovam.Buarque/videos/1001718933204370/?fref=nf
原子力ではなく自然エネルギーを!というメッセージ。
そもそも、アルコール車を開発したのはブラジルなのですから。
ワールドカップ前、多くのブラジル関連報道がありました。しかし原子力・放射能に関する報道はなかったようです。そこで、ブラジルの原子力・被ばくの問題はどうなっているの?という話をまとめてみたいと思います。
(まだ工事中です)
まず、自然放射線量が世界で一番高い場所として必ず出てくる地名Guarapariがブラジルであることは知られているところでしょう。少し興味がある方なら、ブラジルに1か所、Angra dos Reis 原子力発電所(2基)があること、1987年Goianiaで起きた被ばく事故をご存知でしょう(核施設以外の場所で発生した最悪の被ばく事故と言われています)。以前、核開発計画があったことを認め、それを破棄したこともありました。
しかし残念ながら、ブラジルには多くのウラン、レアアース発掘が行われ、ここから多くの被ばく者が出ていること、311以降も新しい原子力発電所建設計画が進みつつあることをご存じの方は少ないでしょう。
そして日本とのかかわりでは、広島・長崎で被爆し、後にブラジルに移住した人たちも大勢います。
このページでは、そういった情報を集めて行こうと思っています。
ブラジル基本情報:
・1500年"発見"、ポルトガルの植民地に。1822年ポルトガルから独立(無血)、帝政2代、1888年奴隷制を廃止、1889年共和政。(奴隷制廃止から20年後の)1908年日本からの移民開始。軍事独裁政権を経て、現在は民政。
・言語ポルトガル語、ただしポルトガルのポルトガル語とはかなり違います。その他の南米諸国はほぼスペイン語(植民地に例外あり)。英語はほとんど通じない。
・世界5番目の面積、日本の面積の23倍、サンパウロ州が日本の面積に匹敵。基本、南半球の国ですが、実は最北点は赤道を越えて北半球まで達しています。リオデジャネイロ・サンパウロ間だけで400km。国内時差あり。
・人口約2億人弱(増加中)
・首都は、サルバドール、リオデジャネイロを経て1960年からブラジリア
・通貨はレアル(Real)。20年前位にハイパーインフレ(最悪時、インフレ率1日約1%)&デノミを経験。貧富の差大。
雑学:
・ポルトガル語でブラジルは、Brasil と書きます。(Brazilは英語。だからブラジルグッズでBrazilと書いてあったら、ブラジル人はブラジルのものじゃないと思ったりします)
・ブラジルは、自分から戦争をしかけたことがありません。ただし仕掛けられた戦争には、断固、応戦しました。また第2次世界大戦には、終盤になって連合軍側に参加しました。「戦争」に関する感覚は、かつて戦争を仕掛けた歴史を持つ日本と、実は随分違います。
・その一方で陸海空の軍隊を持ち、古い空母を持っています。徴兵制もあります。徴兵制度は教育の機会がなかった若者には、プラスになるという意見をよく聞きます。
・選挙に行くことは義務。選挙に行かないと、発行してもらえない書類もあります。一方で、選挙に行くためには、文字が書けることが必須条件。その判定は名前が書けること。このため、文字が書けない人を連れてきて、名前を書くことを覚えさせ、そして自分に投票させる、という話がよくあるようです。
・Guarapari(Espirito Santo州)は、自然放射線量が世界一高い場所と言われていますが、実は有名な観光地です。砂に放射性物質を含むmonaziteが含まれていることは良く知られています。
・アルコール車:石油がほとんど生産できなかった時代、ブラジルではサトウキビを原料として生成したエタノールを使ったアルコール車が開発されました。最初は1978年。(当初は、車が走るとアルコールの匂いがしたものです。)今ではガソリンとアルコールを好きな割合で混ぜて使えるハイブリッド車が主流です。(日本のメーカーが出遅れた理由はこれ)
サトウキビを使うので、砂糖の高騰を招くなど問題もありましたが、今考えると、再生可能エネルギーの先駆けですね。
・ガソリンスタンドには、ガソリン、アルコールが当たり前に一緒に売られています。
ブラジルの原子力関連施設・ウラン鉱山等
(Angra-3の工事状況は確認中)
ブラジルの原子力発電所(商用):
・Angra dos Reis (Rio de Janeiro 州, リオデジャネイロ市から西に150km)。リオからサンパウロに向かう飛行機から見える。PWR2基。Angra-1(636MWe)は1985年から、Angra-2(1275MWe)は2001年から営業運転。
・3号機建設中(東京電力福島原発事故を受け、一旦中断、その後の状況未確認)
・Itacuruba(Pernanbuco州, Recifeから西470km)にもさらに4原発の計画あり
ブラジルの研究炉:
ブラジルのウラン鉱山:
・Poços de Caldas (Minas Gerais州) 1982-1995、2004年閉鎖。(閉鎖後は放置状態とのこと)
・Caetité(Bahia州) 2000- 、イエローケーキ400t。
・Santa Quitéria(Ceará州) 2014? -
さらにアマゾン地域には、大量多数のウラン鉱脈が発見されている。
Goianiaの事故(wiki):
・ブラジルでは、acidente com o Cesio-137 (セシウム137事故)と呼ぶ。
・1987年9月13日、Goiania(Goiânia州の首都)で病院跡地に放置されていた医療機器廃棄物の中にあった光る粉に触れた人を中心に250人が被ばく、4人が死亡した事故。レベル5。
ブラジルの被ばく者:
・ブラジルには、広島長崎の被爆者は、現在100人前後、ブラジル各地にいらっしゃいます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~vitima_bomba-atomica_brasil/
情報源:
ウラン鉱山関係
http://www.atividadesnucleares.com.br/informativo.asp?arquivo=AN56
http://en.wikipedia.org/wiki/Angra_Nuclear_Power_Plant
Pernanbucoの新原発開発関係
http://www.irpaa.org/publicacoes/divulgacao/usina-nuclear-em-pernambuco-modo-de-compatibilidade-.pdf
ゴイアニアの被ばく事故
http://pt.wikipedia.org/wiki/Acidente_radiol%C3%B3gico_de_Goi%C3%A2nia
今後追加したい項目
・ブラジルが輸入禁止している食料品
・ブラジルの電力事情
・ブラジルのガソリンスタンド